沈丁花の季節

ちょっと、暖かい気がする。
暖かくなってくるのはやっぱり嬉しい。
花が咲き出す春は好きだ(杉の花については、友人を見ている
と必ずしも、咲いてもらってよかったとは単純には思えないが
……)。気分がちょっと浮き立つ。

そして、風に沈丁花の香りがしだした。
金木犀も花が香る。
でも、うちの近所になかったから、どうも、懐かしさに欠ける。
それに比べて、沈丁花は私が子供だった頃から、春の
先触れで咲いていた。
実家にも沈丁花があったから、生まれてから毎年その香りに触
れて過ごしていたことになる。
記憶にしっかり刻まれているから、大気の中にかすかに香って
も、反応するのかもしれない。

私にとっては、春を運んでくるいい香りなのだが、そういえば、
金木犀の芳香剤はあっても、沈丁花というのは聞いたことがな
い気がする。
もっとも、芳香剤になってしまって、いつでもある香りになっ
てしまうのは嫌だから、いいけどね。
あの、芳香剤の香りというのも、鼻が疲れる感じがして苦手だしね。

あしたも、沈丁花の香りを感じに散歩に出ようっと。