Oh!! タカラヅカ!!

オー--、宝塚に行って来た。宙組である。出し物は『白昼の稲妻』。
フランス革命後のパリを舞台の恋愛劇。トップは和央ようか。彼、いや
彼女の役は詩人アルベール、そして……。

なんて、話をしていても、宝塚の楽しさは伝わらない。
まず、切符取りが大変。特に今回は知り合いが関係者にいてもなか
なか手に入らない。
行かれるかな---、と心配しているこの時点から、宝塚観劇の楽し
みは始まっているのだ。
そして、やっと、手に入った切符を手に、いざ、日比谷の宝塚劇場に。
当日券を待つ人の列を横目に、エントランスへ。回りを見回せば、
99.5%は女性。正面に真っ赤な絨毯のしいてある階段には赤いバラが
からみつく。大きなモニターからは宝塚専用チャンネルタカラヅカ・スカイ・
ステージの映像が流れる。おみやげにはパンフレットはもちろん、宝塚
チョコ、宝塚まんじゅうなどなど。

席につけば、こんな声が。「私、前見たときは、衣装ばかりに目が行って、
どんな筋だか覚えていないわ」そう、ヅカファンはおひいきの出ている
公演を何度も見に来るのだ。今日はこっちを見て手を振ってくれたとか、
くれないとかが話題になる。

ともかく、トップは男らしくてかっこいい。現実には絶対にいないその男ぶり。
必ずある新人によるラインダンスといい、大階段から降りてくるフィナーレと
いい、洋式美の世界である。
見終わったおばさんが「さて、現実に戻らなくっちゃ」って言っていた。
その通り、何も考えずに夢の世界に漂える半日、それが宝塚。

そして、その不思議な世界は、ヅカファンによって支えられている。お気に
入りをみつけ、通い続け、トップになるのを期待し、退団を惜しむ。そして、
次のお気に入りを見つける。
彼女たちの舞台を見つめるうっとりとする目がなかったらば、成り立たない
世界なのだ。その中に浸って、一時、浮き世を忘れられるからこそ、宝塚の
良さがあるのだ。

ドイツで宝塚を見た某氏が言ったそうだ。
「宝塚を宝塚劇場から外に出し手てはいけない」
けだし明言。