「見る」の再発見

 昨日は私が理事をやっているダイアローグ・イン・ザ・ダーク
(http://www.dialoginthedark.com/)の打ち合わせだった。来年の夏の開催へ向け
て、準備をしている。

 このプロジェクトは、人工的に真の闇を作り、視覚障害者のアテンドのもと、その
空間を体験するというもの。内部には、木や花、流れる水、自動車など日常生活でよ
く出会うアイテムが置かれている。それらを、視覚を遮られた状態で感じられるのだ。
詳しくはHPを見てください。

 ダイアローグ・イン・ザ・ダークに参加したおかげで、私は生まれて始めて目の不
自由な人と一緒にご飯を食べた。最初はどうしたらいいかわからないのだけれど(緊
張しやすい質なのです、こう見えても)、だんだんと慣れてくると、まず、食べ物の
説明をすればいいのだとか、好きなものを聞きながら、取り分ければいいのだとか、
お皿を置く時は、一声かけてありかを教えた方がいいのだとかわかるようになる。そ
うなると、緊張をしないで、一緒に楽しくご飯が食べられるようになる。

 彼らと一緒にご飯を食べると、お皿を持ち上げるという一つの行動も視覚を使って
やっていることに気づく。無意識に行っている自分の行動について見直すことができ
る。見ることについて、意識的になれる。
 と、同時に、「これはマグロですね」などといいながら、おはしできれいに食べて
いる彼らと一緒にいると、視覚に頼らない分、彼らが持っている味覚や触覚、嗅覚、
聴覚などの能力の高さについて驚かされるのだ。昨日の夕食も、そんな楽しい一時だっ
た。

で、今日はここまで。
ではでは。